ブックタイトル肝炎医療コーディネーターこれだけは!

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概要

肝炎医療コーディネーターこれだけは!

ルです。ひとは、無関心期からはじまり、順に次のフェーズに移るためには損失感より利得感が上回ることが必要とされています。例えばHBs抗原が陽性と判明した人を例に挙げると「無関心期」は「俺はB型肝炎なんて関係ないよ」と思っているような時期。「関心期」は「自分のB型肝炎はちょっと不安だな。でも精密検査は怖いな」、「準備期」は「機会があれば精密検査を受けようかな」、そして「実行期」は「さあ、精密検査を受けるぞ」、最後の「維持期」は、「定期的に検査は行こう」というような心理の移り変わりです。こちらもそれぞれのフェーズがセグメントであると言えます。そして意思決定の支援にはセグメントごとに適したメッセージをかけることが効果的であると言われています。つまり「無関心期」には「肝炎は気づかないうちに誰もが進行してしまうリスクがあります」といったやや恐怖を訴求するような言い方、「関心期」には「検査は採血と腹部エコーで怖いものではありませんよ」といった障壁を取り除くようなメッセージを、「準備期」には「あなたの身近な肝臓専門医療機関はここですよ」といった具体的な動作指示や精密検査クーポン券を渡すなど、そして「実行期」「維持期」は、受診したことへの支持、そして次回の予約を行うといったことが、多職種からなる肝Coだからこそ出来る強みと言えます。さあ、自分の目の前にいるひとが、いったいどのフェーズに居て、何が必要なのかを的確に見極めて、次のフェーズへの遷移に効果的な声掛けやメッセージ発信等でナッジ(そっと背中を押す)をしましょう!江口有一郎武内和久65