ブックタイトル肝炎医療コーディネーターこれだけは!

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概要

肝炎医療コーディネーターこれだけは!

る可能性があるのはB型肝炎とC型肝炎だけで、ここではB型肝炎とC型肝炎について説明します。B型肝炎血液・体液を介してB型肝炎ウイルス(HBV)が感染することで起こります。感染経路は垂直感染(主に出生時の母子感染で、持続感染している母親が妊娠中に子宮内・産道で胎児・新生児に感染します)と水平感染(感染している方とのカミソリなどの共有や刺青やピアスの穴あけ等に使う器具の共有、性行為などの濃密な接触、静注用麻薬の乱用による注射器と注射針の共有、あるいは過去に行われた不衛生な器具による医療行為、出血を伴うような民間療法など)の2つがあります。このうち持続感染になりやすいのは、出産時あるいは3歳未満の乳幼児期の感染です。肝炎を発症した時の症状は黄疸、食欲不振、嘔気嘔吐、全身倦怠感、発熱などがあります。肝炎を発症せずにHBVが体内で共存している状態を無症候性キャリアといいます。一過性に強い肝炎を起こしてHBe抗原陽性のウイルス増殖の高い状態からHBe抗体陽性の比較的ウイルスが少ない状態に変化するなどして、多くの場合肝炎がおさまっている状態を非活動性キャリアと言います。このように一生肝機能が安定したままの人がおよそ8 0~9 0%ですが、残りの10~20%の人は肝炎が持続し、その中から肝硬変、肝がんになる人も出てきます。B型肝炎の治療が必要なのは慢性肝炎、肝硬変の状態の人です。治療は大きく分けてインターフェロンという注射薬と核酸アナログ製剤という内服薬の2つがあります。残念ながら未だにHBVを体から排除する(治癒させる)治療法ではないので、現在は、ウイルスを体内から排除させる新しい作用を持つ治療薬の開発のための研究が23